捲土重来
2017年 10月 28日
悔しい
わたしの得票は4万5千あまり、東京3区の共産党候補の中では過去最高になっている(率では2番目)。しかし、いまの日本社会から求められている水準の結果ではない。力不足を率直にお詫びしたい

最終日、石原氏と松原氏は手を取りあってお互いの奮闘をたたえたらしい。やはり今回は二極対決だったのだと強く感じた。自民党とその補完勢力に、野党共闘の私が得票で下回ったことは事実だ。今度こそ風穴を開けられるように、がんばらないといけない
ネックになっているのは、2つあると思っている。1つは、共産党への誤解と偏見。「石原氏も松原氏も選べないが、共産党に入れるのは…」この思いにこたえ、乗り越えていただくための努力がもっと必要だった。
もう1つは、そもそも消去法で共産党候補を選択するのではなく、「どんなことがあっても、積極的に共産党の香西にいれよう」と思ってもらえる人を、どれだけ大きな規模で増やすか。いちばん固いのは共産党員のみなさん。次にしんぶん赤旗を購読していただいているみなさん。さらに後援会ニュースを読んでいるみなさん。こうした人たちが、勝利に必要なだけ足りていないのだ。サポーターのみなさん、民主的な団体のみなさんの力をもっと借りなければならない。これが、「力不足」の内容だ
さらに重大なのは、比例得票を相当減らしてしまたことだ。品川では2万5千から、今回1万7千へ。全国的にも議席を半数近く減らしてしまった。
立憲野党で改選議席を伸ばしたことは確かに喜ばしい。しかも野党共闘でたたかい、これを市民のみなさんが支えてくれた。これは日本の民主主義の輝かしい歴史の1ページだ。しかし、共産党にとって議席を減らしてよい選挙などない。わたしたちの目標は比例で850万以上とり、すべての比例ブロックで議席増をめざすことだった。
候補者を全国で67人おろしたことが比例票の後退につながったとはいえない。東京の選挙区は、わたしが立候補した東京3区のように、共産党候補に野党が一本化したところ。また共産党が候補をおろし、他党候補に一本化したところ、さらに立憲野党が複数たったところの3パターンがあるが、いづれの場合でも、共産党の比例票は、前回と比べて、同じように減ってしまっているのだ。
2014年の比例票と、今回の比例票を、共産党の地区委員会のある行政区ごとにくらべてみると、もっとも減りの少ないのが、新宿区の77.9% もっとも減っているのが立川・昭島で63.9%になる。そのどちらも共産党の候補はおろし、他党候補で一本化したところだ。その他の行政区を見ても、概ね前回比では70%前後となっている。
一本化のために候補者をおろした選挙区だけが、極端に比例票を後退させているわけではない。つまり、これは努力次第で野党共闘の前進と党の躍進は両立はできるということを示しているのではないか。
問題は、私たちがなぜ比例で後退してしまったのか
私の実感、反省からいえば、比例代表で、「日本共産党」と書いてもらうことの意味をどれだけの人に伝えることができたか、そこにハードルを感じる人に寄り添い、ともに乗り越える日常的な努力はどうだったかを考えざるを得ない。
まず何より、2票あることの徹底はどうだったか。ある日本舞踊の教室で、先生の特別の計らいで、休憩中に訴えさせてもらった。政治の中身以前に、そもそも人の名前を書く投票と、政党名を書く投票と、2回あることを知らない人がほとんどで、それが話の大半になった。
私たち選挙のプロには当たり前。しかし一般の有権者は当たり前ではない。毎回選挙に行く人だって、区議選、都議選、参院選、衆院選、区長・区議補選、都知事選…いっぱいあって忘れているは人はたくさんいる。比例は国政だけだが、参院選と総選挙で、また微妙に違う。複雑なのだ。選挙の主役は有権者である。これは私たち共産党だけの問題ではないが、もっと徹底して2回投票があることをもっと伝えるべきだった。
次に、自民党を選びたくない、安倍政権を終わりにしたいと思う人たちが、迷ったとしても「やっぱり共産党」と思ってもらう努力がどうだったのか…
共産党の政策、公約は自分の言葉で語ることはできたと思っている。しかし、党の値打ちを語るときに、自分は紋切り型になっていなかっただろうか…「95年ブレずに反戦、平和」「政党助成金うけとらない」「候補者をおろしてまで…」これは志位さんや小池さんが語ることだ。
同じ内容でも、この党の値打ちをもっと自分の経験から、自分の言葉で候補者が語ったらどうだっただろう…池内さおり候補のどこかでの演説を動画でみたが、党に出会うまでの自分と、その後の自分を語っていた。
21議席に躍進して何が変わったのかも重要だろう。選挙中の赤旗1面に出た、500社近いブラック企業の公表などはわかりやすかった。こうした値打ちをもっと演説に取り入れたり、対話で重視したらどうだったか
さらに冒頭の部分でも書いたが、「共産党」と党名を書くことに抵抗を感じる人へのアプローチだ。「ウルトラ右翼の人が『今回は君に入れる』といってくれた。でも私は比例だから共産党と書いてくれないと当選しない…」こんな話を思い出した。
しかも、今回はテレビで、中国や北朝鮮のことが毎日報道されていた。立場の違いを超えて、注目が広がっているが、日本独特の誤解や偏見は根強い。「共産党」と党名を書くことに大きなハードルはるはずだ。これを乗り越えてもらう、こちらからの努力はどうだったか。インターネットは大事だったと思うが、短期間でどこまで浸透できたのだろうか。やはり、これは日常的な活動によるところが大きい。
それに、党の方針はどうだっただろうか。「比例を軸に」は一貫している。しかし、この「軸」とは何か。わかるようでわかりづらい。要するに何をやったらよいのか。小選挙区よりも先に、比例を訴えるということか?しかし、実際の投票では①小選挙区②比例③裁判官という順番だ。町の掲示板ポスターには候補者の顔はあっても比例の掲示板はない。有権者はやはり候補者を見ている。どうしても候補者の打ち出しが主軸になってしまう。結論は「小選挙区も比例もどちらもちゃんと訴える」こと以外ないのだが…
いづれにせよ、東京ブロックではあと5万票足りてなかったら、1議席に止まっていた。本当に激戦だった。比例で激しく議席を争っているイメージを、初動から、党内の全員が鮮明にしてたたかえたらどうだっただろうか。もっと、とりくむ側がわかりやすい打ち出しにしないといけないなという思いがある。
さらに大事なのは、やはり冒頭でも述べたが、党の値打ちを広げる中心となる、党員や支部の大きさや活力だ。そして、しんぶん赤旗を購読して応援してくれている人たちが、有権者の中でどれだけいるか…これは決定的に重要だ。
いろいろと思うところがあるが、とにかく捲土重来。必ず次にいかす。

去年読んで非常に感動した。共和党王国のバーモント州で最初は得票率1%から始まった氏は、選挙のたびに仲間をふやし、組織をつくり、ついに大統領選の予備選であと一歩までに迫った。欧米諸国は確実にあらたな流れが始まっている。この日本でも、市民と野党の共闘は確実に前進している。99%のための政治の実現へ!全力でがんばる